1.治療計画の立案
最初の診察では、患者さんの口腔内の状態を詳しく検査します。これには、X線撮影や写真撮影、歯の型取りなどが含まれます。その結果をもとに、矯正専門医が治療計画を立て、治療期間や治療方法を説明します。
2.ブラケットとワイヤーの装着
治療の開始にあたり、歯の表面に小さな金属の「ブラケット」を一つ一つ取り付けます。ブラケットには、歯を動かすための「ワイヤー」が通されます。このワイヤーは、治療の進行に合わせて定期的に調整されます。ブラケットは目立たないセラミック素材のものもありますが、一般的には金属製が多いです。
3.ワイヤー矯正の仕組み
ワイヤー矯正は、歯に一定の力を加えて歯を徐々に動かす仕組みです。ワイヤーには弾性があり、適切な圧力をかけながら歯を正しい位置に誘導します。治療中は、定期的に矯正専門医の診察を受け、ワイヤーの調整やブラケットの交換が行われます。
4.治療期間
ワイヤー矯正の治療期間は、患者さんの歯並びや噛み合わせの状態により異なりますが、一般的には1年半から3年程度です。治療が進むにつれて、徐々に歯並びが改善され、最終的に理想的な歯列に近づきます。
5.痛みとケア
治療初期には、ブラケットとワイヤーによる摩擦や圧力で軽い痛みや不快感を感じることがありますが、通常は数日以内に慣れてきます。また、矯正治療中は食べ物がブラケットに引っかかることがあるため、食後のケアが重要です。歯磨きやフロスを丁寧に行うことが求められます。
6.保定装置の使用
治療が完了した後も、歯が元の位置に戻らないように「リテーナー」や「保定装置」を使うことが一般的です。これにより、矯正後の歯並びを維持することができます。